「なんとなーく必要なんだろうな・・」と思って、不動産屋さんの見積りなどを眺めていませんか?
見積りの中で、イマイチわかりにくい項目のひとつに「住宅ローン保証料」があります。
(私が不動産営業マンをしていた時、大変質問をいただくことが多かったです。)
なので、ここでは「住宅ローン保証料とは?」についてわかりやすくご説明していきます。
そもそも「住宅ローン保証料」とは何かということを知っていないと、安心してローンに申し込むことができません。
本記事では、保証料についてや相場、具体的な費用などを紹介し、さらに支払い方法の違いと銀行による保証料の比較も行っています。
一般的な金額目安やそれぞれの特性を知ることができるので、住宅ローンによる借入れを行う前に目を通してください。
様々な要素によって保証料の金額が算定されることも理解できると思います。
●住宅ローン保証料とは債務者(住宅ローン契約者)が保証会社に支払うもの
●必ずしも必要なわけではなくフラット35や各銀行の住宅ローンの中にも不要なものがある
●外枠方式と内枠方式による支払い方法があり、前者が一括払い、後者が分割払い
●目安は外枠方式で「数十万から100万円台」が多く、内枠方式だと「100万円台から200万円台」が一般的
▼【関連情報】住宅ローン保証料に関連する諸費用について、あわせて確認すべきお役立ち情報
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それでは以下で詳しく見ていきましょう。
この記事の目次
1,「住宅ローン保証料」とは何なの?
まず最初に、住宅ローン保証料について詳しく知る上で理解しておきたいのが、「住宅ローン保証料とは、何?」についてです。
新築や中古の戸建てやマンション購入の際に住宅ローンを利用すると思いますが、数ある手数料の中のひとつ「住宅ローン保証料」。
こちらの図を見ながら、以下の説明文を読んでいただくとスムーズに理解できると思います。
【住宅ローン契約者と金融機関、保証会社の相関図】

住宅ローンサービスのシステムを理解すれば必要性がわかるはずで、最近は借入れの際に連帯保証人を立てないことが増えたため、保証料を支払い保証会社に保証してもらうというのが一般的になりました。
まず住宅ローンを借入れする人は銀行などの金融機関と住宅ローン契約をして融資してもらいますが、もし借入れを行った人が返済できなくなった際には金融機関は困ってしまいます。
そのリスクを軽減させるために保証会社が存在しているわけですが、タダで保証してもらうわけにはいきません。
その際に一定割合の保証料を支払うことになるのです。
例えば借入れする金額や返済の期間などによって保証料の金額が異なります。
基本的に住宅ローンは機関保証というシステムを導入していて、債務者(住宅ローン契約者)と銀行などの金融機関、そして保証会社で成り立っています。
通常は債務者(住宅ローン契約者)が金融機関に対して返済を行いますが、それが厳しくなった際に保証会社が金融機関に対して代位弁済を行います。
その補償を債務者(住宅ローン契約者)が保証会社に委託する場合には保証金の支払いがもちろん不可欠ですし、代位弁済した後保証会社は債務者に対して代位弁済した金額を回収しようとしてきます。
今の日本では住宅ローンを利用する際にこの保証制度を導入していることが多く、通常は保証会社に対して保証料の支払いを行っています。
2,住宅ローン保証料は必要なの?
次に、「住宅ローン保証料は必要なのか?」についてご説明しておきます。
「住宅ローン保証料」は、絶対に保証料が必要なわけではなく、保証会社によるサービスを利用しない場合には不必要なこともあります。
近年の人気の「フラット35」は保証人も不要ですし、さらに保証料の支払いをする必要もありません。
▶参考情報:「フラット35」とは?について、以下で詳しくご説明しています。
ですからそれぞれの住宅ローンサービスの内容によって保証料が必要か不要か異なってきます。
申し込み前の段階で保証料が必要かどうかを知ることができるので、保証料の支払いを避けたい場合には必要性のない住宅ローンを選ぶようにしましょう。
ただ保証料の有無だけで決めてしまうと、肝心の金利面やその他の条件を見逃してしまう可能性もあるので気をつけてください。
3,住宅ローン保証料の支払い方法
「住宅ローン保証料」の相場や計算方法など、具体的な説明をしていく上で、予め知っておく必要があるのが「住宅ローン保証料の支払い方法」です。
「住宅ローン保証料」の支払い方法には、「一括タイプの外枠方式」と「分割タイプの内枠方式」があります。
(1)外枠方式 = 一括
- 借入れをする際に一括して支払い、通常は数十万円から100万円以上の保証料を支払う必要がある
- 内枠方式に比べてトータル的に支払う金額が少なくなる
(2)内枠方式 = 分割
- 外枠方式に比べて保証料の金額が増える
- 借入れの際に多額の保証金を支払う必要がない
以上のようにそれぞれ正反対の特徴を有していますが、 それぞれの資産状況や希望返済システムによって選び分けることが重要です。
両方の方式ともに金融機関や保証会社次第で金額に差が出ることは前提として覚えておきましょう。
自己資金がある程度ある場合には保証料の一括支払いも検討すべきです。
4,住宅ローン保証料の相場はどれくらい?
それでは、ここからは皆さんが気になる「住宅ローン保証料の相場」について解説します。
住宅ローンを利用して借入れを行う場合、もちろん返済の義務が生じます。毎月長期間にわたって返済しなくてはなりませんが、それ以外にも「住宅ローン保証料」の支払いも必要です。
保証料の相場は、「一括前払い型(外枠方式)」と「分割の利息組込み型(内枠方式)」のどちらを選ぶかによって大きく変化してきます。
例えば、3,000万円の建売住宅を購入した場合、保証料は下記のようになります。
- 外枠方式(一括)= 数十万円から100万円代
- 内枠方式(分割)= 120万円から250万円程度
あくまでも上記は一般的な例であり、各住宅ローンサービスの内容や保証会社によって異なります。
一括前払い型の「外枠方式」と利息組込み型の「内枠方式」では、金額的に大きな違いが見られる点も特徴です。
同じ金額を同じような条件で借入れしたとしても、利用する金融機関によって保証料が違ってくるため、この部分にも注視して選択したいです。
次の段落では、実際に「住宅ローン保証料」の計算方法をご説明していますので、詳しくはそちらをご覧下さい。
5,住宅ローン保証料の計算方法について
続いて、「住宅ローン保証料」の計算方法についてご説明していきます。
住宅ローン保証料が一体いくらになるのかというのはローン利用者にとって気になるポイントです。
しかし保証会社次第でその計算式は多少違っています。
一般的なケースで言えば、以下の通りです。
(1)一括前払い型「外枠方式」の場合
一括前払い型の場合は、下記の保証料を参考に計算します。
- 返済期間が10年の場合:約10万円~30万円程度
- 返済期間が20年の場合:約15万円から50万円程度
- 返済期間が30年の場合:約20万円から70万円程度
と増加していきます。
一括支払いの場合でもやはり返済年数が長ければ長いほど保証料が高くなる傾向にあります。
だいたい、金融機関により異なりますが、住宅ローンの借入額の約2%がおおよその目安だとおもっておいてください。
(2)分割型「内枠方式」の場合
分割型の内枠方式の場合は、一括支払いの際の融資金利に1年あたり0.2%の金利を加えたものを返済まで支払い続けることになります。
一括の「外枠方式」と分割の「内訳方式」のどちらがお得なの?については、それぞれのご事情により異なってきますので、気になる方は、住宅ローンの専門家に相談してみることをおすすめします。
詳しいシミュレーションなどをしれもらえると思います。
6,実際、「住宅ローン保証料」はいくらかかるのか?
だいたいの相場と計算方法が理解できたら、「実際、保証料はいくらになるのかな・・」と知りたいですよね。
ここでは、お家を購入される方の多くのケースで、目安として「住宅ローン保証料がいくらかかるのか?」をご説明しておきます。
住宅ローンによって借入れをし購入する場合、その価格帯は様々です。
ただ多くの場合「3,000万円」程度の住宅を購入するケースが多くみられるので、その価格帯を参考にシミュレーションしてみます。
(1)約3000万円の住宅を購入する場合の「住宅ローン保証料」の目安
●一括(外枠方式)の場合
一括で支払う場合には当然保証料は分割に比べて安くなり、保証料の幅は「約60万円から130万円程度」と幅広い点も特徴です。
この方式ははじめの段階で支払うことになるので少しでも節約をしたいと考える人も多くいます。
そのためにも目安となる保証料を参照した上で住宅ローンサービスの選択をしましょう。
※ただし同じ住宅ローンを利用していたとしても、仕事の安定性などを考慮され保証料の割合が引き上げられるケースもあります。場合によっては200万円を超えてしまうこともありえます。
●分割(内枠方式)の場合
分割方式の場合は金融機関によって異なりますが通常は金利に0.2%が上乗せされたものを支払い続けます。
平均すると保証料だけでも「100万円」を優に超えてしまいますし、0.2%ではなく負担率がより大きな金融機関の場合は「300万円」を超えてしまうこともあります。
但し、私が不動産営業マンの頃は、自己資金が少ない方も多かったので、「分割(内枠方式)」の方のほうがかなり多かったです。
7,「住宅ローン保証料」有無の銀行を比較
最後に、「住宅ローン保証料」の有無を銀行ごとに比較しておきますので、参考にご覧下さい。
そもそも「住宅ローン保証料」の支払いの必要性があるかどうかは銀行によっても異なります。
保証料の有無を知っていれば自分の状況に最も合った住宅ローンサービスを利用することも夢ではありません。
結果的にスムーズかつ負担の少ない返済に繋がるでしょう。
(1)住宅ローン保証料が必要な銀行
- みずほ銀行
- 三井住友銀行
- 三菱UFJ銀行
- りそな銀行(例外アリ)
- 京都銀行 紀陽銀行
など
(2)住宅ローン保証料が必要でない銀行
- りそな銀行(例外アリ)
- 三井住友信託銀行(例外アリ)
- 楽天銀行
- 新生銀行
- 住信SBIネット銀行
など
銀行ではありませんが、「フラット35」も保証料を支払う必要はありません。
誰もが知るメガバンクの多くは保証料ありのケースが多く、保証料無しの銀行のラインナップにはネットバンクの名前も見られます。
保証料の有無だけで利用する住宅ローンを選択するのは理想的ではありませんが、保証料の有無が返済の負担に直結することも事実です。
このあたりはよくシミュレーションを行ってから、決断をしたほうがよいと思います。
8,まとめ
「住宅ローン保証料」というのは保証会社に対して支払うものであり、返済が難しくなると代理弁済してくれます。ただ代理弁済してもらっても、保証会社から回収がありますのでお忘れなく。
必ずしも保証料は必要なわけではなく、銀行やそれぞれの住宅ローンサービスによって異なります。
一括タイプの外枠方式と分割タイプの内枠方式に分けることができ、それぞれ金額を比較すると2倍程度の差が生じます。
保証料の有無や金額、支払い方法などを頭に入れた上で住宅ローンの利用をすることがおすすめです。
自己資金がある程度あり、早い段階で保証料を支払う場合は外枠方式、それほど金銭に余裕がなく長年にわたって支払う場合は内枠方式というのが一般的でしょう。
9,【関連情報】
「住宅ローン保証料」に関連する、その他の読むべきお役立ち情報
今回の記事では、「住宅ローン保証料」について初心者向けにわかりすく解説してきましたが、住宅ローン保証料はお家を購入する際に住宅ローンを利用すると必要な諸費用のひとつです。ただ、諸費用はこれだけではありません。他にも必要な諸費用は残念ながらあります。。
この段落では、今回の記事に関連して、必ず読んでおくべきお役立ち情報を以下でまとめてご紹介しておきますので、現在、住宅ローンのお勉強をされている方は必ず確認しておきましょう。
以下では住宅ローンについての情報もまとめておきますので、参考にご覧ください。
銀行の住宅ローンについてやフラット35の住宅ローンについての詳しい情報も他の記事で解説していますので、以下で、気になる銀行があればあわせてご覧ください。
・「住信SBIネット銀行のフラット35」(保証型と買取型)」金利、審査など住宅ローンを徹底解説!
記事作成日:2019年04月01日
記事作成者:希野 通貴